鍼で痛みを抑制する効果って?

♦痛みの部位に直接作用する効果

オピオイド受容体を介した鎮痛

アデノシンA1受容体を介した鎮痛

Nature Neuroscience(電子版)に発表されるM Nedergaardの研究によると、鍼治療が疼痛を緩和する治療のカギを握る痛覚抑制受容体を局所的に活性化することが示されている。この研究は鍼治療による局所的な除痛機構を示唆しているが、いかなる点においても、鍼が「経絡」に沿ったある異常な「気」のエネルギーの流れを正すという古来の神秘的な思想を支持するものではないことに注意すべきである。その代わり、鍼の回転で痛覚伝達神経のすぐ近くにある組織に小さな損傷が生じ、これがアデノシン放出を誘発して局所的な疼痛の抑制がもたらされるというモデルが提出されている。

♦脳や脊髄などの中枢神経に作用する効果