鍼灸師の社会的意義とは?

鍼や灸は痛みを緩和したり、場合によっては慢性の痛みを感じないまでになったりさせることができるわけですが、ここでさらにその先を考えてみましょう。

病院やクリニックに行っても、痛みから解放されないから長期鎮痛剤を服用してしまっている方のお話をよく聞きます。やはり長期に渡って漫然と痛み止めに頼る状況は良くありません。薬害から慢性腎臓病になり人工透析を受けることになるというのは最悪のシナリオです。

しかし鍼灸にはこういった副作用はありません。鍼灸治療により疼痛緩和や疼痛を取り除くという事は鎮痛剤を減らす又は必要としなくなることにつながります、延いては透析患者の減少にもつながり、話題に出ることが多い、社会保障費の削減にもつながると考えます。この意義は社会的に大きなものではないでしょうか。

 

(記事抜粋) 鎮痛薬などの薬が原因で腎臓の働きを低下させてしまうことがあり、これを「薬剤性腎障害」と呼びます。腎臓は体内の老廃物や余分な塩分、水分を尿にして排せつしていますが、体内に入ったほとんどの薬も同じように腎臓から排せつされます。そのため、腎臓は薬の影響を非常に受けやすく、障害が起きやすいのです。場合によっては慢性腎臓病を発症したり、慢性腎臓病が悪化したりする可能性もあります。

 薬剤性腎障害の原因となる主な薬は、鎮痛薬、抗がん剤、抗菌薬、造影剤です。
最も多いのがNSAIDsと呼ばれている鎮痛薬で、その次に多いのが抗がん剤となっています。鎮痛薬や抗菌薬で腎障害が出やすいのは、毒性が強いからというわけではなく、処方する機会が多いために、原因となることが多くなっているといわれています。

 薬による腎障害を起こす人を年齢でみると、60歳以上の方で多くなっています。高齢になると、さまざまな薬を使う機会が増えるのに加え、若い時に比べて、腎臓の機能が低下しているため、薬の排せつが悪くなり、腎障害を起こしやすくなるのです。 

 薬で腎障害が引き起こされると、「腎臓への血液の減少」「薬の毒性による腎臓の障害」「薬に対するアレルギーの発生」「薬の成分で尿の通り道が詰まる」などの影響が出て、腎臓の機能が低下します。

 薬剤性腎障害が起きると、それが原因で慢性腎臓病発症することがあります。一方で、腎機能が低下しているために慢性腎臓病の人が薬剤性腎障害を起こしやすい、ということもいえます。慢性腎臓病で薬による腎障害を起こしますと、さらに腎機能が悪化して病気が重症化する場合もあるので注意が必要です。

 薬剤性腎障害の報告が最も多いのは、鎮痛薬、中でも非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs:ロキソニン、セレコックス、ボルタレンなど)です。NSAIDsは鎮痛解熱薬と呼ばれており、消炎・鎮痛・解熱の作用があります。そのため、関節痛や筋肉痛、神経痛、頭痛、腰痛などさまざまな痛みを抑える薬として非常に多くの人に使われています。市販薬にもたくさんの種類のNSAIDsがあります。

(NHK健康CHの筑波大学教授 山縣先生による解説記事より抜粋)

 (記事抜粋)クスリは肝臓、消化管粘膜、肺、腎臓などで分解され無毒化(代謝)されますが、その中でも最も大きな割合を占めるのが肝臓です。
肝臓は多くのクスリの効果を低下させるとともに、水に溶けるようにして腎臓から排泄されやすくします。これを代謝といいます。肝臓は体内の巨大な化学処理工場であるといえるでしょう。
代謝されたクスリの多くは、クスリとしての効果が落ちてしまいますが、なかには代謝されても効果が変わらないものもあります。また、代謝されてはじめて効果を発揮するものもあります。

大部分のクスリは、腎臓から排泄されます。腎臓は、血液をろ過して尿を作っていますが、血液中のクスリも、腎臓でろ過されて尿に入り、体外に排泄されます。
クスリはまず (1)体内の血液に入る(吸収) (2)次に血液の流れに乗って移動し、体の各場所に広がる(分布) (3)その後クスリは主に肝臓で分解(代謝)される (4)腎臓から尿中へと排泄される、ということになります。このような理由で肝機能が低下すれば腎機能も低下するのです。